富山大学理学部生物学科

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近年、人類を含む多様な生物のゲノム解析が進み、生命科学・生物学はポストゲノムの時代を迎えています。生命科学・生物学の長足の発展は、再生医療、遺伝子組換え食品、クローン生物、臓器移植など人類の生活において様々な可能性をもたらしています。

一方、現代文明は内分泌かく乱(環境ホルモン)問題にみられるように地球環境や生物に重大な影響を及ぼしてきています。このような時代の生命科学・生物学では、様々な生命現象を総合的に理解するための教育と研究を通して、幅広い視野と専門性を身に付けることが重要です。富山大学生物学科では分子・細胞レベルから個体・群集レベルまで、様々なテーマの研究を行うとともに、生命科学・生物学を体系的に学習できる教育体制をとっています。

 

富山大学生物学科の特徴

 

生物学科のイベント:新着一覧

2016年8月30日:生物学科セミナー(理工学研究部テニュアトラックセミナーの共催)「形態学から迫る”かゆみ”の伝達と進化」(高浪 景子先生・岡山大学)(2016年9月7日開催)のご案内

平成28年度第1回理工学研究部テニュアトラックセミナー(生物学科セミナーの共催)

 

日時:9月7日(水) 15:00~16:00

場所:理学部A239講義室

演者:高浪 景子 先生(岡山大学理学部附属臨海実験所/文部科学省共同利用拠点 日本学術振興会特別研究員RPD)

 

演題:「形態学から迫る“かゆみ”の伝達と進化」

 

要旨:痒み(かゆみ)は掻きたい衝動を誘発する耐え難く不快な感覚であり、痒みによる引っ掻き行動により内因性起痒物質遊離が促進され、痒みの増加や増悪が導かれ、皮膚炎等の症状がさらに悪化する。しかし、痛みとの多くの類似性により、これまで痒みの分子基盤や神経回路が不明であった。ここで、2007年にガストリン放出ペプチド受容体(gastrin-releasing peptide receptor: GRPR)が新たに痒み特異的分子と報告され、痒み研究が新たな展開を迎えた。そこで、GRPRのリガンドであるgastrin-releasing peptide (GRP)-哺乳類では27-29アミノ酸で構成されるペプチドホルモン-を痒みのマーカーとして捉え、痒みの指標となる行動解析法の確立している齧歯類ラットを用いて、痒みの神経回路の解析を行った。その結果、二つの知覚神経系(脊髄知覚神経系・三叉神経知覚系)において、一部の一次感覚神経小型細胞でのGRPの発現とGRP陽性線維の脊髄後角および脳幹三叉神経脊髄路核尾側亜核への特異的投射をみとめた。その投射領域に密にGRPRが発現することから、これらの領域が中枢への痒み伝達に重要であることが示された。さらに、透過型電子顕微鏡・超高圧電子顕微鏡・新規三次元電子顕微鏡に目的分子を標識する免疫組織化学法を組み合わせることで、これまで技術的に難しかった超微形態レベルでのシナプスの三次元可視化が可能となり、新たな痒み伝達シナプス構造が見出された。

次に、痒みの神経回路が哺乳類で保存されているか、真無盲腸目、齧歯類、霊長類のモデル動物を対象とし、GRPの分子進化と比較形態学解析を行った。その結果、GRPは哺乳類間で相同性が高く、脊髄・脳幹領域の痒みの神経回路も哺乳類において普遍であることが示唆された。現在は解析対象を脊椎動物門へと広げ、魚類におけるGRP/GRPRの遺伝子発現やペプチド配列の相同性や多様性および痒みの神経回路の解明に取り組んでいる。ここから痒みの進化と生物学的意義を明らかにしたい。

 

世話人:中町智哉

 

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